アンクルブロック

Posted on 28th 5月 2011 by admin

外反母趾,足趾切断など術後痛の強い足の手術に有用で,簡単で比較的安全な手技です.腰椎麻酔や硬膜外麻酔を施行せずに,良好な術後鎮痛が得られます.
足の知覚は皮下を走行する浅腓骨神経,伏在神経,腓腹神経と筋膜下を走行する深腓骨神経,脛骨神経の5つ神経で支配されています.5本すべてをブロックすれば,足首から先は完全な無痛となります.実際には手術部位に応じて,数本の神経をブロックすることが多いです.

穿刺針:23G 5cmのブロック針

薬剤:0.375%アナペイン10ml

鎮痛効果:10-12時間

適応:足の手術.

脛骨神経は足底の知覚と足趾運動の大部分に関与しています.骨や関節などの深部知覚に関与すると考えられるので,術後鎮痛のためには,なるべくブロックした方がいいでしょう.下図のように内果後方で,後脛骨動脈の後側を走行しています.ここで後脛骨動脈を触診,またはエコーで確認し,そのすぐ後ろで距骨の内側結節の上を刺入点としています.0.375%アナペイン3ml程度を筋膜下に注入します.

深腓骨神経は母趾外側と第2趾内側の知覚に関与し,短趾伸筋,短母趾伸筋などに運動枝を出します.外反母趾の手術では必須のブロックです.下腿では前脛骨動脈,足関節では足背動脈と並走しています.足関節直下,距骨の上で足背動脈を触診,またはエコーで確認し,その外側または内側が刺入点です.内側には長母趾伸筋腱,外側には長趾伸筋腱があるので,腱を避けて穿刺します.0.375%アナペイン3ml程度を筋膜下に注入します.ついで,針を刺入したまま針先を皮下までもどし,外側と内側の皮下に薬液を浸潤させれば,浅腓骨神経,伏在神経がブロックされます.

浅腓骨神経,伏在神経,腓腹神経はそれぞれ足首の背側,内側,外側の皮下を走行しています.皮下浸潤麻酔の要領で0.375%アナペイン各2-3ml程度を注射します.この3本は皮神経なので,皮膚知覚に関与していますが,術後鎮痛という点では,脛骨神経と深腓骨神経を確実にブロックすることが大切です.

参考:実際にはこのブロックは全身麻酔下に施行しています.神経損傷を起こさないように,ブロック針(鋭針でなく)を用い,エコーで脛骨神経を同定できるときは動脈と神経の間で穿刺,深腓骨神経の場合は足背動脈の内側(深腓骨神経は動脈の外側を走行することが多い)で穿刺しています.神経から若干離れても,筋膜下に注入すれば,薬液は神経周囲まで広がっていくようです.