持続斜角筋間ブロック

Posted on 29th 5月 2011 by admin

シングルショットと異なり,持続ブロックは交叉法で行っています.平行法でも行いましたが,現在使用中のカテーテルは直進性が強いためか,90度近く曲がる必要のある本法では,挿入時に抵抗のある場合が多く,挿入できても前斜角筋内や血管内に迷入するなどとうまくいかないケースが続いたため断念しました.先端が丸くて,より柔軟性の高いカテーテルならばうまくいくかもしれません.

穿刺針:18G 5cmのトフィー針

薬剤:0.375%アナペイン20ml

持続注入:術後6時間後くらいから0.2%アナペイン4ml/hrで開始.留置期間は通常24時間以内.疼痛時レスキュー0.2%アナペイン10ml

適応:腱板断裂の手術(ARCR,ORCR),人工肩関節手術など

フェンタニル50-100mcgとドルミカム1-2mgで鎮静し,酸素投与を開始します.患者は仰臥位で術者は頭側にたち,なるべく正面にエコーのディスプレーが来るように配置,触診で斜角筋間溝を確認してからサーベイを行います.はじめに鎖骨上で鎖骨下動脈と腕神経叢を確認し,ゆっくりプローべをねかせながら少し中枢側に移動させます.C5,C6神経根がしっかり確認できる位置で穿刺予定部位をマークします.このとき軽く圧迫して,マークした部位が神経の真上にあることを確認しておくとよいです.

消毒し,覆い布をかけます.再びエコーで見ながら,マークした部分の皮膚に局麻を浸潤させ,18G針で皮膚をカットします.ついで,薬液を満たした18Gトフィー針で穿刺します.エコーで組織の動きをみながら,斜角筋間にくるように誘導し1-2cmの深さまで針を進めます.吸引の後,1ml程度を注入し,神経周囲に薬液が広がることを確認したら,15mlまでゆっくり分割投与します.血管穿刺などの合併症を避けるため,針は深く進めないように注意します.神経周囲に薬液がいきわたったら,エコーを離し,針先が動かないように注意しながら,左手に持ち替え,右手でカテーテルを5cm程度体内に入るまで挿入します.カテーテルは比較的スムーズに入ります.カテーテルを残して穿刺針を抜きます.コネクターを付け,吸引,血液の逆流がないことを確認してから,残りの薬液5mlをエコーで確認しながら注入します.ステリストリップで固定し,透明ドレープを貼って完了です.

注意点:トフィー針で筋膜を破るときにかなり抵抗があります.勢いあまって針が深く進まないよう注意が必要です.交差法で行うと針先が見えにくいのでより慎重さが求められます.シングルショットと同じ平行法でスムースにカテーテル挿入ができるようになるといいのですが,今後の課題です.